動脈硬化を防ぐ

原因はコレステロールの酸化

私たちの体がうまく機能するためにコレステロールは欠かせませんが、過剰な悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が体内を流れ血管の内側に蓄積されてしまうと、血管は柔軟性が無くなり動脈硬化につながります。

動脈硬化の原因となるのは、コレステロールの存在自体ではなく、私たちの体の中のさまざまな物質によってLDLコレステロールが酸化されることです。ですから、動脈硬化を防止するためには、LDLコレステロールが酸化してしまうのを防ぐ作用のあるβ-カロテンやビタミンC、ビタミンE、ポリフェノール類を摂取することが大切になります。

動脈硬化というと、一般にコレステロールや中性脂肪の過剰だと思われていましたが、血液中でホモシステインという物質が増加することが、動脈硬化と関係があると考えられています。

ホモシステインというのは、すべてのタンパク質に含まれている必須アミノ酸のメチオニンが肝臓で代謝されてできる物質です。このホモシステインは、肝臓内でとても反応しやすい形になって、LDLコレステロールとくっついて血液中に出て行きます。そして、動脈壁のマクロファージに取り込まれ、動脈硬化が始まるのです。

動脈硬化は、太っている人は大きな動脈に、痩せている人は末端の細い動脈に現れることが多く、自覚症状が現れる段階では、かなり進行した状態です。

40歳を過ぎると、さまざまな病気になるリスクが高くなりますので、中年期にはしっかりチェックしておきましょう。

植物性食品も積極的に摂る

ホモシステインの原料になるメチオニンは、動物性タンパク質に多く含まれていますが、体に必要なタンパク質を摂るのは動物性食品からだけでなく、豆類や穀類などの植物性食品からも摂る必要があります。

LDLコレステロールの量を増やさないことも重要ですから、総摂取エネルギーを減らすとともに、コレステロールの多い食品の摂り過ぎに気をつけたいところです。エネルギー代謝を高める意味では、ビタミンBコンプレックスを摂るとよいです。

動脈硬化を防ぐために摂りたいのは

  • ビタミンBコンプレックス(B1、B2、B6)
    各10~20mg
  • ビタミンC
    1000mg
  • ビタミンE
    100~200mg
  • ポリフェノール類
    メーカーの指示量

夏バテを予防する

発汗対策をじゅうぶんにする

夏の暑いときには特に、発汗によって失われてしまった水分を補おうとして体が水分を欲します。そのときに、糖分を多く含んだものを飲むと、血糖値のコントロールに悪影響を及ぼし、食欲が正常にはたらかなくなって、食欲の低下や、栄養素の不足が長く続くことになります。

一方では、日差しが照りつける屋外と冷房の効きすぎた屋内との急激な温度差で、自律神経が正常にはたらかなくなり、体温の調整がうまくできずに、夏バテになる人が増えているのです。

食事の面では、そうめんや冷やし中華、ざるそば、ざるうどんなど、冷たくて喉ごしの良い麺類をどうしても選びがちになると思いますが、こういった食品はどれも糖質(炭水化物)がベースになっているので、同じような食事を摂っているとタンパク質が不足になって、やはり夏バテにつながってしまいます。

夏には汗をかく量が増えますから、屋外で仕事をしている人やスポーツをする人、外出の機会が多い人などは、水分やミネラルを多めに摂るなど、発汗への対策をじゅうぶんにとることがとても重要です。

私たちの汗の中には、水分のほか、カリウム、ナトリウム、鉄、カルシウムといった、生きていくうえで欠かすことのできないミネラル類が含まれているので、大量に汗をかくことで、これらのミネラルが水分とともに失われて、不足した状態が続いてしまうのです。

夏バテ対策に必要なのはビタミン・ミネラル

昔から夏バテ対策に良いといわれているものに、うなぎや焼き肉があります。これらは高タンパクであり高ミネラルなので確かに効果的ではあるのですが、毎日食べるというのは現実的ではありません。かえって、脂肪の摂り過ぎになり内臓に負担がかかってしまいます。

夏バテの状態になっていちばん問題となるのは、暑さからくる食欲不振です。食欲がわかないために普段の食事量が確保できなくて、全般的に栄養不足になってしまいます。ですから、重要なのは、食事量の減少を防ぐようにするのとともに、食べたものをどれだけ効率良く消化吸収するか、ということです。そして、そのためにはビタミンとミネラルの補給が必要です。

汗を大量にかくことで失われるミネラルは塩分(ナトリウム)だけだと思われがちですが、それだけでなくカリウムやマグネシウム、鉄などのミネラルを補給することが大切です。また、夏バテによるだるさを改善し、疲労を回復するには、ビタミンB群を多めに摂取するのが効果的です。

夏バテを予防するために摂りたいのは

  • マルチミネラル
    メーカーの指示量
  • マルチビタミン
    メーカーの指示量
  • プロテイン
    1回に7~20g

低血圧の症状を改善する

自覚症状を見逃さないこと

低血圧とは、血圧が正常値よりも低い状態で、最高血圧(収縮期の血圧)が100mmHgよりも低い場合が目安とされています。低血圧では、体がだるい、疲れやすい、めまいがする、耳鳴りがするなど、さまざまな症状がみられることがありますが、自覚症状がない場合には、日常生活に支障がなければ問題ないといわれます。

低血圧は、高血圧と違い、体に及ぼす重大な影響というのがほとんどありません。ですから、病気としてあまり重視されていないところがあるのかもしれません。

しかし、自覚症状があるなら、さまざまな症状は本人にとってはつらいものでしょうから、できるだけ改善したいものです。

低血圧には、原因がよくわからないもの(体質的なもの)と、立ち上がったときにふらつくものと、病気や薬が原因となっているもの、この3つのタイプがあります。

病気や薬の影響以外の低血圧の症状を改善するには、血液の循環を良くすることが有効です。体に疲れやすさやだるさがあることから運動量が減ったり、食欲不振から栄養不足になることが、血液循環の悪化につながります。適度に運動をおこなうと血圧をコントロールするようにはたらくので、定期的な適度な運動は低血圧症状の改善に役立ちます。

低血圧の人には体温が低めな人も多いので、サプリメントを利用するなら、プロテインで熱産生を高めて、ビタミンCとEで血管を健康にし、体中に血液をじゅうぶんに行き渡らせると良いです。

根菜や香辛料を積極的に摂取する

体をあたためる作用がある食品というと、しょうがやとうがらしなどの香辛料やごぼうやにんじんなどの根菜類があります。いろいろな野菜にしょうが、とうがらし、にんにくといった香辛料を入れスープにして食べると、体があたたまり、冷えや肩こりなどの症状の改善に役立ちます。こういった食材を積極的に利用しましょう。

低血圧の症状を改善するために摂りたいのは

  • プロテイン
    1回に7~20g
  • ビタミンC
    1000mg
  • ビタミンE
    100~200mg